まず,結論です。
- 英語耳・英語脳を作る必要があり,できるだけ長い時間,英語の音に浸ることが必要
- 長い時間英語に浸るには,その人にとって楽しいことを通して,日常生活の中に英語を入れ込むことが効果的
- 得意なことや好きなジャンルで,YouTubeやWebサイト見るとき,あえて英語版を視聴するとか、読書をするとき、AmazonのオーディオブックAudibleで洋書を聞くとか、Kindleで洋書を読むとか、英語アプリで細切れで英語に触れることなどが、長続きのコツ
- 英語ネイティブの会話は特に,学校で習った英語教師の発音と全く異なり,ゆっくり聞いてもわからないほどかけ離れているので,英語の実際の音と,文字を結び付け直すことが必要
- そのためには,実際に文字を見ながら音を確認したり,自分でそのとおり発音できるようになることが重要
- 自分で喋れる英語は,ネイティブが速く話しても聞き取れる
日本人が英語のリスニングをできるようになる方法 ~私の経験〜
日本人にとって,文字も音も全く音なる英語という言語を聞き取れるようになるためには,相当の時間や努力を必要としますが,一定のコツはあると考えています。
聞き取れるようになるプロセスや原理を理解しておくことが重要ですので,以下に私自身の経験を御紹介します。
全く生きた英語を聞き取れない状態から,どのような経過をたどってリスニングができるようになったか,また,有効な手法は何かについて,触れたいと思います。
英語リスニングができない頃
英語のリスニングができなかったからこそ,これを攻略したい,という思いが強くありました。
東京の一流ホテルのレストランで,朝,朝食をとりながら話をしている外国人の英語の音に憧れたものです。
コーヒーの香りと,英語の音,何と相性が良く,かっこいいことか。自分も英語を話せるようになりたい。このモティベーションが強くあったことが,結果につながる原動力になりました。
そして,何をやったか。
まず,英会話の学校に行きました。有名な全国規模の学校です。
結構,費用が掛かりましたが,講師はネイティブで,それまでネイティブと接することのなかった私は,たとえわずかでも,英語で意思疎通をする喜びに浸りました。
学校で習った英語という「教科」は,実際に使うことが本当は目的だったんだ! とはじめてわかった気がしました。
勉強の対象に過ぎなかった英語を使って,外国人と意思疎通が少しでもできたことに,大きな喜びを感じました。
この喜びを学校で味わわせていてくれたら,もっと早く勉強を始めたのに,と思いました。
学校では,知識などの「目的物」は教えますが,Why? なぜ? という「理由」 をあまり教えません。
なぜ,これを学ぶ必要があるのか,
世界で通用する人間になるため,とかでは,実感がわきません。
外国人と意思疎通ができる喜び、これを実感させる必要があると思います。
これから,英語を学ぼうとする人は,まず,この,意思疎通の喜びの感覚を味わえば,半分,成功を手にしたようなものだと思います。
楽しい感覚,これが,その後の英語習得の基礎になると思います。
ところで,この英会話学校通学方式。
これは,費用が相当かかることと,クラス内での一人一人がしゃべる時間が少ないことなどから,自分の場合,英語耳を作るのにあまり効果はなかったと思っています。
一年以内でやめて,自宅で英語のラジオ放送をずっと流しておく,という方法に切り替えました。
あるときは,少し聞き取れるフレーズがあったりしましたが,なかなか,リスニングは上達しませんでした。
それでも,ずっと聞き続けました。
それは,英語耳や英語脳をつくるためには,飛行機のパイロットと同じように,一定の時間数の積み上げが必須だと何かの本で読んでいたからです。
分からないのを聞き続けても,効果はない,という方もいますが,私はそうは思いません。
私の経験が実証しています。いちいち辞書を引きながら確かめるとか,テキストを読んで,理解できた文章を,音を確かめながら聞くとか,面倒くさがりの私には,とても長続きしませんでした。
長続きする方法で,とにかくわからなくてもいいから,英語に浸る時間をできるだけ長くする。
これが,英語耳・英語脳を作る秘訣だと思います。私の経験は一つの証拠です。
英語を少しリスニングできるようになってから
レアジョブを申し込んで,フィリピン人の講師とたくさん英語でしゃべりました。
ここでも,面倒くさがりの癖が出て,テキストを先生が使おうと言っても,フリートークにしてもらい,リラックスして英語でその時々の話題や趣味の話などを楽しみました。
楽しい感覚と英語を結びつけるのを何より重視していて,嫌なことや面倒なことは,英語勉強の過程から排除して,英語に嫌なイメージを付けずに,一生英語に親しむことの方を優先しているからです。
英語を喋って,海を越えて意思疎通をしている自分にふと気づき,嬉しかった感覚が今でも思い起こされます。
ちなみに,ここにそのレアジョブのサイトを掲載します。スカイプを用いて時差のないフィリピンの人の優れた英語力と日本人のリスニング力のなさを結びつけたこのプログラムを最初に考えた人は,相当な発想力だと思いませんか?

早く英語耳を作るために,初めからこれをすれば良かった,と思うこと
- スピーキングの練習。自分で話すことのできる英語は聞き取れるから。
- 実際に文字を見ながら音を確認し,自分でそのとおり発音できるようになることが必要。
- 文字と発音を同時に確かめるには,本を開くよりも英語アプリが便利。
- 同時通訳者のトレーニングで重視されるのは,シャドーイングやオーバーラッピング。英語を聞きながら,後を追いかけるように,または被せるように真似て話す。リスニング力と英語を話す力の両方が鍛えられる。文章表現の引出しも増える。
- 英語を話す機会を多く作り,話すことへの違和感をなくす。英語アプリを用いて,文字も確認しながら,シャドーイングなどをするのも効果的。
- 自分で英語を話すということは,英語の文字と発音とが頭の中で一致しているということであり,英語の文字と音の一致は,英語を聞き取るための必須条件である。
